「エージェント技術は自動車の電子化を加速する主要なトリガー」---NRIメディアフォーラムより
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20050825/107911/
 「自動車の知能化に向けてキーテクノロジーとなるのは,通信技術とエージェント技術。そして,エージェント技術は自動車の電子化を加速する主要なトリガーになる」。野村総合研究所NRIコンサルティング第三センター技術産業コンサルティング一部グループマネジャーの近野泰氏および同部主任コンサルタント佐々木健一氏は,同社が2005年8月25日にプレス向けに開催した勉強会「第24回 NRIメディアフォーラム『自動車のエレクトロニクス化の進展と事業機会』」の中でそう語った。

 両氏によれば,現在,自動車部品に占める電装品の比率は40%後半。それが,2010年ごろにはエージェント技術の導入によって50数%へ高まると予測している。ここでいうエージェントとは,ドライバーからみれば,自分の操作・行動を支援したり代行したりする仮想的な自分。クルマや外部環境(インフラ)から情報を取得し,ドライバーに注意を喚起したりクルマや外部環境をドライバーの代わりに制御したりする。あるいは,ドライバーが取得した情報を処理し,その結果に基づいてクルマ/外部環境を制御したりドライバーに処理結果を返す。そして両氏は,こうしたエージェント技術をクルマに導入するには,認知(情報収集),判断,操作を電子化することが必要となり,それにより自動車部品に占める電装品の比率が高まるというのである。

 実際,エージェント技術を用いたコンセプトモデルは多くの自動車メーカーから発表されており,両氏は「今後の自動車開発の主要トレンドの一つになる」と見ている。

富岡 恒憲=日経ものづくり