半導体各社、下期の設備稼働率9割以上に

 半導体主要各社が設備稼働率を引き上げる。12―17日を中心とする夏季休業期間中も、多くの工場が連日操業する。各社は年末商戦に向けてデジタル家電向けを中心に需要回復を予想。生産を絞っていた企業も、下期の稼働率は9割を確保し、生産調整の底を脱する。薄型テレビなど最終製品の価格競争のあおりで部品の値下がりは続いており、収益面では不透明感が残る。

 NECエレクトロニクスは夏季休業期間中も、デジタル家電や携帯電話に使う先端LSI(大規模集積回路)の製造ラインを無休で稼働させる。先端品以外は1―5日間休止。「昨夏の全面フル稼働には及ばないが、5月の連休時期より(稼働率は)上向き」という。4―6月期に80%強に落ちた稼働率を下期は9割まで戻す計画だ。

 国内最大手のルネサステクノロジはシステムLSIが主力の主要七工場を無休とする。4―6月期に88%だった稼働率を上げており、9月以降は93―94%を見込む。富士通も主要工場を連日稼働させる。5月の連休に休止させた福島県内の工場も操業する。


[2005年8月12日/日本経済新聞 朝刊]