「国際標準」で勝つ

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060403/115693/

これからが正念場?自動車業界の標準化戦略

 さて,日本メーカーが高い競争力を誇っている自動車業界にも国際標準化の波は押し寄せてきている。その代表が,ECU(電子制御ユニット)の組み込みソフトウエアの開発手法の標準化活動である。パネルディスカッションの発言で少し気になったのが,自動車業界の標準化活動の出発点が半導体の状況に近いのではないかという指摘である。

 半導体では300mmウエハーの投資増大への対処法として標準化活動が始まったが,自動車でも開発工数の増大に耐えられなくなって活動がスタートした。自動車分野では標準化活動のステージから言うと,まだ初期の「和気あいあい」の段階で,エゴ丸出しの熾烈なかけひきは始まっていないようである。でもいずれ「競争領域」と「非競争領域」の線引き問題の重要性は高まっていくのは歴史の必然のように思える。半導体業界が経験したことを反面教師とし,電子部品業界の成功パターンに学んで,自動車業界でもしたたかな標準化戦略を推し進めていってほしいと思う。

 筆者はこの原稿をデトロイトで時差ボケと戦いながら書いている。まもなくSAE(米自動車技術会)が開幕する。SAEでもさまざま局面で標準化の話し合いや駆け引きが行われるだろう。日本の関係者の健闘を祈りたい。