慶應義塾大 江本氏、電気自動車「エリーカ」の開発状況を明らかに

慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 講師の江本聞夫氏は、弊誌主催の第127回Technical Symposium「自動車用半導体/センサ徹底検証」において、居住性の高さと超高速を両立した電気自動車「エリーカ」の開発について述べた。Liイオン電池や、駆動機構をホイールに内臓した車輪部(8輪)など、駆動に必要な機構を全て床下に納める“集積台車”と呼ぶコンセプトにより、床上部を全て乗員用スペースとして活用でき、ボディ形状も用途に応じて様々な選択が可能。最高速度のターゲットは400km/hで、現在は同370km/h、最大加速度0.68Gまで実現している。市販(予定も含む)の最高300km/h以上のスポーツカーの場合、エンジンが大型化してしまうため、乗員が2名に限定されているのに対し、エリーカは大人4名が乗ることができる。運転技術面でも簡単に高速運転が可能で、内燃機関を用いた既存の自動車の概念を超えた電気自動車の可能性を示したものといえる。商業化も模索しているが、1回の充電時の走行距離は、目標の300kmに対して現状では200km強とし、搭載したLiイオン電池は、4分間充電で回復率70%のタイプと、30分間充電で回復率70%の2種となっている。