TCGに加盟

電子部品の国際業界標準仕様を策定する組織であるTrusted Computing Group(TCG)は15
日、トヨタ自動車が加盟したと発表した。TCGに加盟することにより、増加する車載電子シス
テムとそれらを含むネットワークのセキュリティー確保と高信頼化を目指す。
TCGによれば、自動車やトラックに搭載する各種電子機器が急成長を遂げる一方、専門サー
ビス、金融、製造業、ユーティリティー関連などの各業界では「信頼とセキュリティー」が重要
な課題として取り上げられてきた。 近年販売される大半の自動車には、安全性の確保をはじめ車
載用インフォテインメント、装置制御、車両内/間通信、保守サービス用通信等を目的とした 50
〜 100 個の強力なプロセッサが内蔵され、相互接続されている。
2011 年にTCGが業界大手の企業数社で設立したEmbedded Systems Work Group(組込み機器
向け検討作業部会)は、組込み機器向け仕様などを策定中。これにより、例えば更新メカニズム
を備えたリモートメンテナンスといった自動車制御システムの高信頼化とセキュリティーの統合
が実現するという。
TCG常任理事でEmbedded Systems Work Group の共同議長である小谷誠剛氏は「12 年1月
に米国学術研究会議(NRC)の輸送調査委員会が発表したリポートにもあるように、自動車向
け電子機器の有用性は増している」と説明。トヨタをはじめ、ほかの加盟企業の専門知識を結集
すれば、自動車の高精度システムのセキュリティー・高信頼化が達成可能で、運転者と乗客の安
全を実現する国際標準仕様が策定できると確信していると述べた。