【半導体】ルネサス、2011年度9か月の当期損失は444億円に

ルネサス エレクトロニクスは1月31日、2011年度9か月(2011.4〜12)の売上高が前
年同期比21.9%減の6734億3100万円になったと発表した。当期損失は444億2000万円
だが、前年同期の588億1900万円の損失から赤字幅が縮小した。欧州や中国を中心に
市況悪化による需要減やタイ洪水などの影響が顕在化し、下期の半導体売上高見通し
が前回予想よりも約830億円減少する見通し。このうち、タイ洪水の影響による減収
は約200億円を見込んでいる。このため、「当初、下期に半導体事業全体で見込んで
いた営業・当期利益ベースでの黒字確保は困難になる」(社長 赤尾泰氏)という。
これに伴い、2011年度通期の業績予想を、全社売上高は前回予想の9680億円から8850
億円、当期損失は同400億円から570億円といずれも下方修正した。一方、業績改善に
向けた施策として、MCUを中心にアナログ&パワー半導体やSoCの主力製品で利益確保
が見込める分野やアプリケーションの選別を進める。その第1弾として、MCUは中国向
け、パワーデバイスは高耐圧品を中心に、ともに3年間で1000製品、2011年度末まで
にその約7割を市場投入する。また、構造改革としては、パワーアンプ事業や国内後
工程拠点に続き、2013年3月末までに大型LCDドライバIC事業から撤退する。詳細
Electronic Journal 2012年2月号(池田敦)