半導体】NXP、車載事業はシームレスな接続性やエコドライブなどに注力
NXP Semiconductorsは5月20日、車載製品の事業展開について、シームレスな接続
性、安全性、快適性、エコドライブの4点に注力する方針を示した。このうちシーム
レスな接続性については、車側からキー側に情報を渡せる「Connected Key」を挙げ
た。例えば、車を駐車した場所を忘れた場合でも、スマートフォンを介して位置情報
を取得できるようになる。安全性についてはテレマティックを用いて緊急通信が行え
る「eCall」を、快適性に関しては固体照明などを例に挙げた。CO2削減に寄与する車
の電動化については、最終的な電気自動車(EV)に移行する前に、スタート・ストッ
プシステムやアクティブモータ/ジェネレータによるCO2削減策がある。Global
Automotive Sales & Marketing担当副社長のDrue S. Freeman氏は、燃費効率改善に
貢献する要素として、(1)電動パワーステアリング、(2)トランスミッション
(3)スタート・ストップシステム、(4)ボディエレクトロニクス、(5)エコテレ
マティック、の5つを挙げた。(1)の関連製品については、油圧系機構の不要な電動
ブーストに対応できる磁気抵抗アングルセンサを展開。(2)では、200msでギアシフ
トを可能にする製品としてFlexRayなどを挙げた。(3)では、減速時に電圧を下げ、
発進時に電圧を上げるといった電圧変化に耐えられなければならず、例えば同社では、
オーディオ再生中も音楽がストップすることのない対応製品を揃えている。(4)で
は、窓やカーシートなど部分的に電動化が必要なパーシャルネットワーク製品を展開
する。(5)では、例えばバッテリーの充電ステーションを探せるといったインテリ
ジェント交通管理に対応した製品を提供していく考え。(藤村顕太朗)

半導体ローム、車載向けLiイオン電池監視ICを参考展示
ロームは、人とくるまのテクノロジー展2010(5月19日〜21日開催)において、車載
向けLiイオン電池監視ICを参考展示した。これまで、Liイオン電池制御にはディスク
リート部品を用いてきたが、近年ICによる制御が増えてきた。同製品は、12ビットAD
コンバータでLiイオン電池の過充電と過放電を±10mVと高精度に検出し、1チップ
で12セルまで対応する。また、LCDドライバICの製造で培ったCMOSプロセスにより、
80Vと高耐圧を実現し、多段接続によりHEV/EV用バッテリーに必要な高電圧クラスの
電源まで運用できる。パッケージは64ピンTQFP。9月のサンプル出荷を目指して開発
中という。(森本淳一)

半導体エプソン、新型イメージセンサ「HDRチップセットを展示
セイコーエプソンは、人とくるまのテクノロジー展2010において、新型イメージセン
サ「HDR(High Dynamic Range)」チップセットを展示した。同センサは120dBのダイ
ナミックレンジにより、CCD/CMOSセンサでは難しい逆光や赤色橙などを確実に撮影で
きる。これを非破壊露光方式によって、露光中に画像を破壊することなく読み出すこ
とで、短露光・中露光・長露光の3つの画像を独自のトーンマッピング技術により動
画(解像度VGA/フレーム数30fps)で表示できる。エプソンでは、車載用カメラの他、
監視カメラなどにも展開していく予定。(森本淳一)