三洋、2010年度の当期利益は50億円の見込み

三洋電機は5月6日、2009年度(2009.4〜2010.3)通期の売上高が前年比9.9%減の1
兆5946億4000万円になったと発表した。当期損失は487億8900万円となり、前年の932
億2600万円の損失から赤字幅は縮小したものの、2年連続の赤字決算となった。今回
の決算発表より米国会計基準を適用、これに伴い事業セグメントを変更し、太陽電池
2次電池を含めた主力の「エナジー部門」を新設。同部門の売上高は同8.1%減
の4303億6200万円となった。特に太陽電池は、2009年度後半から助成金効果で国内需
要が好調だった他、「欧州も想定より伸びた」(副社長 前田孝一氏)模様で、
同25.3%増の1017億1700万円となった。一方、2次電池はHEV向けLiイオン電池が増収
を確保したものの、民生機器向け2次電池が低価格競争の影響で同18.9%減の2778
億7700万円と苦戦した。この他、光ピックアップを新たに追加した電子デバイス部門
の売上高は、半導体キャパシタの不振を売上倍増の光ピックアップが補い、同3.9%
減の3013億7300万円と1桁減に留めた。懸案の半導体事業に関しては、営業損失ベー
スで前年の230億円から71億円の損失へ赤字幅が縮小したが、「黒字回復は2011年度
以降」(同氏)とした。また、従来物流部門などの売上として別の区分だった「その
他の営業収益」を、2010年度から売上高に含め、売上高は前年比5.6%増の1兆7500億
円、当期利益は50億円の黒字転換となる見通し。2次電池に加え、太陽電池も低価格
競争に巻き込まれているエナジー部門に関して、「他部門と比べて原材料の調達など
コスト削減が最も進んでおり、今後も“高性能”、“安全性”を武器に右肩上がりは
可能」(同氏)と強気の見通しを示した。なお、パナソニックとのシナジー効果を踏
まえた2012年度までの3か年中期経営計画を、5月11日に佐野精一郎社長が発表する予
定。(池田敦)