トヨタ 豊田名誉会長、自動車産業の回顧と今後の展望と課題を語る

トヨタ自動車 名誉会長 豊田章一郎氏は、自動車技術会の創立60周年記念特別講演において、国内自動車産業と同会の60年間を回顧しながら、今後の展望と課題を述べた。国内自動車産業の基礎体力は、1970年代の2度のオイルショックと排ガス規制を乗り超えることで、本当の意味で固まったとし、「不可能と思われるような困難があったからこそ、企業や組織の壁を越えたチームワークを発揮することができ、その後も、従来の機械的な発想だけでなく、科学やエレクトロニクスの要素を多く取り込みながら発展してきた」点を強調した。20世紀の負の遺産である、資源の枯渇や貧困といった問題を克服し、持続的発展を目指すには、日本単独ではなく、地球規模の発展を意識した施策が必要と考えている。このような中、日本の役割として、新たな科学技術、モノ作りが重要で、自動車産業が目指すSustainable mobility社会への取り組みの中、エネルギー資源、環境、事故などの負の部分を最小化していくことの重要性を述べた。