フィリップス、半導体事業分離・他社へ売却も視野

 【ロンドン=佐藤紀泰】欧州家電最大手のフィリップス(オランダ)は21日、同社の半導体事業をグループから切り離すと発表した。株式を上場するか、他社に売却するかを年末までに決定し、フィリップスは一部株式を保有するだけとなる。米インテルや韓国サムスン電子といった半導体大手が買収に動けば、業界の勢力図が塗り替わり、日本勢にも影響を与える可能性がある。

 フィリップスの半導体事業は世界8位に相当し、2005年の売上高は6000億円を超す。デジタル家電や携帯電話機など向けの高性能製品が強い。05年度も営業黒字を計上したが、他の主力部門である医療機器や照明に比べて収益のぶれが激しく、年間1000億円規模と多額の設備投資も必要となる。

 このため、同社は昨年12月、今年夏にも半導体事業部門を分社化することを決めたが、結局、新会社の株式の過半数を手放すことにした。半導体事業の売却益を活用して、医療機器分野での買収を加速するなど、他の主要事業に経営資源を集中投下する方針だ。
[2006年6月22日/日本経済新聞 朝刊]
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=AS2M2102B%2021062006