次世代車載LAN規格FlexRayに対応した評価用スタータキット

http://www.designnewsjapan.com/news/200506/24auto_fujitsu050624.html

 富士通は、車載LAN規格であるFlexRay対応の評価用スタータキット「MB2005-01」を開発した。自動車メーカーや電装メーカーは同キットを使用すれば、FlexRayの評価を容易に実施できる。ドイツRobert Bosch社から「FlexRay IP 2.0」のライセンス供与を受け、富士通が開発したもの。6月24日に販売を始め、税込み価格は31万5,000円。2005年末までに100台の販売を目指す。

 自動車内におけるコントロールシステムは、データ量の増加と複雑化が進み、現行のController Area Network(CAN:伝送速度1Mbps)やLocal Interconnect Network(LIN:伝送速度200kbps)よりも高速で、信頼性の高い通信方式が求められている。FlexRayの通信速度は最大10Mbps。CANおよびLINに比べ速いデータ転送が行える。さらに、あらかじめ定義した送信時刻にデータを転送するタイムトリガ通信方式を採用しており、信頼性も高い。

 同社が開発したスタータキットは、32ビットRISCプロセッサ「MB91F369GA」を搭載する制御ボードを中心に、FlexRay IPを組み込んだFPGA評価ボードとFlexRayプロトコル制御ソフトウエアで構成される。

 今後同社は、2005年中にFlexRay IP搭載ASSPの提供を開始する。2006年の初めには、組み込み機器向け32ビットコア「FRコア」にFlexRay IPを搭載し、サンプル品として出荷を始める予定だ。