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【ソフト・エラー】
放射線などの影響により,半導体デバイスが一時的に動作不良を起こす現象
を「ソフト・エラー」と呼びます.半導体デバイス(特にSRAMなどのメモリ)
は製造プロセスの微細化が進むほど,放射線の影響を受けやすくなります.
先月,NTTと北海道大学は共同で,中性子によって引き起こされる基幹系ネ
ットワーク機器のソフト・エラーの再現実験を行い,その試験技術を確立した
と発表しました.基幹系ネットワーク機器の多くは,先端プロセスで製造され
る大容量のメモリやSRAMベースのFPGAを搭載しています.ソフト・エラーの影
響を警戒するのは,当然のことと言えます.
半導体技術者にとっては「今さら」のソフト・エラー問題ですが,半導体ユ
ーザ,特にソフトウェア技術者にとっては,何の前触れもなく,突然メモリの
ビット値が反転するなどという状況は想像しにくいようです.
一見,論理の世界だけで成立しているように見えるソフトウェアですが,自
然界の物理現象から完全に切り離されて存在しているわけではない,というこ
となのでしょう.
[メルマガ編集担当代理(SN)]