ルネサス、事業構造改革の方向性を発表

ルネサス エレクトロニクスは7月3日、今後の事業構造改革の方向性について発表し
た。具体的には、国内生産拠点の再編と早期退職優遇制度を実施し、営業利益率2桁
以上の収益構造を実現する方針を示した。国内生産拠点で譲渡または集約の対象とな
るのは、前工程が現在の9拠点15ラインのうち、甲府事業所の150mmラインと高崎事業
所の125mmライン、ルネサス山形セミコンダクタ鶴岡工場の300/125mmライン、ルネサ
セミコンダクタ九州・山口の山口工場150mmラインの計4拠点5ライン。後工程は現
在の9拠点のうち、ルネサス北日本セミコンダクタの函館工場やルネサスハイコンポー
ネンツの青森工場など6拠点を挙げた。また、早期退職優遇制度は9月18日〜26日の期
間に実施する予定で、優遇措置として通常の退職金に特別加算金を加算して支給する
他、再就職支援なども行うという。退職日は10月31日で、同社では5000〜6000名程度
の応募を想定しており、年間で約430億円の費用削減効果を見込んでいる。「工場再
編は3年以内に完了する見通しで、リストラ関連の資金に関しては大株主および主要
取引銀行に財務的な支援をお願いしており、現在協議中の段階」(社長 赤尾泰氏)
という。リストラ費用の金額や2012年度の業績予想および事業計画について、「詳細
は2012年度第1四半期(2012.4〜6)決算で発表する」(同氏)とした。詳細は
Elecrtronic Journal 2012年8月号(池田敦)

半導体エルピーダ/Micron、スポンサー契約に合意
エルピーダメモリ秋田エルピーダメモリ、米Micron Technologyは7月2日、Micron
エルピーダの取得/支援を目的とするスポンサー契約に調印したと発表した。支援
金は総額2000億円で、一定の手続き費用などを控除した残額から更正担保権者/債権
者への支払いが行われ、残った更正債権の支払い義務は更正手続きに基づき免除され
る。スポンサー契約実行時に、Micronは現金600億円でエルピーダへの100%出資を実
施。その後、エルピーダはMicronの子会社として、Micronを顧客としたファンドリー
事業などを通じ、2019年までにキャッシュフロー1400億円をMicronから得る。Micron
は同契約において、一定の条件の下、エルピーダの設備投資への支援を行うこと、エ
ルピーダの生産・従業員の雇用を維持することで合意しているという。この他、
Micronは、エルピーダと台湾Powerchip Technologyの合弁会社である台湾Rexchip
Electronicsに関して、Powerchipが保有する株式を取得する予定。詳細は
http://www.elpida.com/ja