インテル、自動車向け半導体に高い成長の可能性.

半導体大手インテルインテルアーキテクチャー・グループのトン・スティ−ンマン副社
長は先月29 日、ロイターのインタビューで、自動車メーカーがスマートフォン(多機能携帯電
話)やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用する機能の自動車への装着を
拡大するとみられるため、インテルは自動車関連半導体の分野で高い成長を目指すと明らかにし
た。ロイター通信が伝えた。
ティーンマン副社長は「インテルは(その分野で)新参者なので、大きな成長を見込める」
と指摘した。同社はドイツに新たなグローバル自動車関連製品センターを開設した。
同副社長は、自動車向けの「インフォテインメント」製品の主要なプロバイダーになることが
目標だと述べたが、どの程度のシェア獲得を狙うかについては言及しなかった。インテルはすで
にカーナビや音楽プレーヤーなどに使われる半導体チップを生産しており、今後は運転者に車線
から逸れることを警告するような運転支援システム向け製品への事業拡充を狙っている。
ハンドルから手を離さずに使える電話やカーナビなど電子システムの市場は急成長しており、
米調査会社のIHSアイサプライによると、自動車向けインフォテインメント市場の規模は今年
が335 億米ドルで、2016 年には412 億米ドルに達すると見込まれている。
ティーンマン副社長は、自動車向け新技術の多くが高級車向けではなく、低価格車向けに開
発されるとの見方を示した。SNSや音楽シェアリングサービス、スマートフォンなどの機能を
車に搭載することは、低価格車を購入する若者を引き付けるからだ。
同副社長は「新世代は旧世代に比べSNS環境に慣れ親しんでおり、日常生活の一部になって
いる」と指摘。自動車向けのチップでは、高級車向けの少量生産品ではなく、量産品に目を向け
ている。購入する自動車が1万米ドルか10 万米ドルかに関係なく、「すべての消費者がデジタル
ライフを家の中から車の中へ広げたいと望むと確信している」ので、「量産に向かわなければな
らない」と述べた。
同副社長はまた、世界最大の自動車市場である中国の顧客にとっては車載電子製品が重要だと
指摘。「人々がいまだにエンジンの性能を気にしている国もあるが、中国ではどのような電子製
品が搭載され、どのような接続機能が備わっているかに関心が強い」と述べた。
インフォテインメント以外でも、インテルは自動車関連で電気自動車(EV)などの新たな事
業分野を視野に入れている。スティーンマン氏は「自動車では今後5〜 10 年間に、インテル
関与できる多くの変化が起ころうとしている。それ(EV)は多くの可能性の中の一つだ」と述
べた。