有本氏、「多結晶Si太陽電池も改善の余地は大きい」

三菱電機 中津川製作所 太陽光発電システム部長 有本智氏は1月23日、同シンポジウ
ムにおいて、同社の太陽電池の取り組みを紹介し、薄膜太陽電池などが注目されてい
る中、多結晶Si太陽電池も変換効率を引き上げており、(技術面で)改善すべき課題
が多いと語った。そもそも材料の段階で、結晶品質のばらつきが大きいことや、スラ
イス加工でも量産品質に耐えられるものはまだまだなど、改善の余地は大きいとした。
セル工程では、RIE(Reactive Ion Etching)を用いたテクスチャの形成や焼成条件
の変更、電極の細線化などの工夫により、15cm角のセルで変換効率18%を実現。次の
段階として変換効率19%を目指し、裏面反射構造を採り入れていくなどの要素技術を
紹介した。「(多結晶Si太陽電池も)従来技術ベースでも変換効率19%はいくだろう。
技術的なブレイクスルーがあれば20%はいくのではないか」と述べた。また、100μm
の薄厚化を図り変換効率16.7%を達成した15cm角セルを試作開発した例を挙げ、極薄
ウェーハによるそりの問題を低減するAlペーストの開発や、モジュール化技術が課題
とした。(三村孝司)